地球の歩き方には、アラブバス231番で……と書いてあるのですが、今回は分離壁前が終点のアラブバス234番についてのお話です。
本当はこのバスに乗るつもりはなかったんですけど、エルサレムのバスターミナルでバスを探していると、パレスチナ在住の方に話しかけられて234番を勧められたんですよね。
バスが走り出してから、あ!地球の歩き方に231番って書いてある!!と気づきました。
予定外だったのですが、結果的に良かったので、詳細をお話したいと思います。
ダマスカス門前のアラブバスバスターミナル出発
エルサレムからパレスチナのベツレヘムへは、旧市街ダマスカス門の前にあるアラブバスのバスターミナルからバスに乗ります。とても綺麗なバス停です。
イスラエルあるあるですが、ここでも進行方向前側はヘブライ語、裏側は英語で表記されているので、いちいち裏に回って、えっと~これは何番のどこ行き??なんてブツブツ言いながら探します。
そうこうしていると、話しかけてくる人が。「ベツレヘムだろ?このバスだよ!中国?日本か!俺、日本人の友達いるよ!」なんてペラペラ話しかけてくるわけです。数々の旅行でこういうタイプは要注意!だったので、なんか嫌だな~と思いつつ、まぁ色々苦労もしているパレスチナの人なら騙したりしないだろう……なんて珍しくポジティブに考えてました。
走り出したアラブバス234番
バスが走り出して、地球の歩き方を確認すると「アラブバス231番」との記載を発見!しまった……一体どこに行くバスなんだと焦りつつ、車内の電光掲示板を確認するとベツレヘム行きと表示が。とりあえず一安心。
そんな私に234番を勧めてきた男性はペラペラ話しかけてきます。「見て!これ日本人の友達!」と写真を何枚も見せられました。絶対友達じゃないだろ……鴨になった人たちでは??
最終的に「バス停から市内は遠いから、タクシーじゃないとダメだ!俺の友達のタクシーが……」とタクシーの話になりました。そのパターンね!乗り気じゃないと分かると、やっと話しかけてこなくなりました。
よくよく見ると地球の歩き方の地図上の分離壁近くに「バス停234番」のマークが!距離的になんとか歩いて街の中心部へ行けそうだと判断しました。
でも初めての場所、タクシーじゃないとマズイ理由でもあるのかな……と不安はぬぐい切れません。
ゲートをくぐってベツレヘムへ
ここが終点!チェックポイントです。
バスを降りてゲートをくぐります。とりあえず人の流れに付いていけば何とかなるだろう!という考えです。
何か聞かれるのかとドキドキしていたら、ただ建物の中を通ってベツレヘムに抜けるだけでした。きっと昔はここで色々聞かれたのでしょうか?
建物を抜けたその先には……質素な感じの建物たちと、たくさんのタクシードライバー!違う国に来たような感覚です。
タクシードライバーがゲートをくぐった人たちに営業活動。「バンクシーの壁画へ行くには、タクシーじゃないとダメだ!」「街の中心部は遠いからタクシーじゃないとダメだ!」とにかく、徒歩では行けない!と言われ続けます。
情報をあまり持っていない状態で来てしまったので、何を信じればよいものか。
するとヨーロッパ系の人と現地人っぽい3人組が、タクシードライバーを無視してスタスタ歩き始めたので、タクシードライバーを振りほどき、その人たちと同じ方向へとりあえず歩くことにしました。
タクシードライバーに囲まれた状況でスマホやガイドブックで調べ物をすると、逃げられないような雰囲気になってしまうのでね。どこの国でも疲れますよね。
分離壁沿いを歩きながらバンクシーホテルへ
少し歩くと分離壁が出てきます。分離壁沿いをてくてく南下。地球の歩き方にこの付近の詳細地図はないのでスマホが頼りです。
たくさんの落書きと続く壁、見たこともない光景になんとも言えない気持ちになりました。
だいたい1キロほど歩くと「ザ・ウォールドオフ ホテル」いわゆるバンクシーホテルです!簡素な街並みにお洒落な佇まいのホテルが現れます。
世界一景観の悪いホテルとかって言われているようですが、本当に壁沿いにホテルがあります。ホテルから1分も歩かないうちにバンクシーの壁画を見つけました。確かこれが最新の壁画らしいです。
大量の壁画の中に、バンクシーっぽい壁画もたくさんあるのですが偽物がほとんどらしいです。でも、偽物と言われている壁画こそ、この社会で生きている人たちが書いた本当の意味での壁画なのかもしれません。
今日も争うイスラエルとパレスチナ
ここ数日のニュースで、イスラエルの入植者とパレスチナ住民がバチバチやって、死者・負傷者が出たと言っていました。イスラエル側も入植の手続きを簡素化したらしく、このまま悪化しないか心配です。
この辺りの話をすると話が延々と長くなってしまうので、今日はバス234番での行き方についてだけにしておきます!
イスラエルにもパレスチナにも良い人もいたし、嫌な人もいました。なので、道中親切にしてくれた人たちが平穏な生活を送れることを祈りたいです!